07 «1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.31.» 09

シネマ★コロポックル

サブカル女子÷おっさん=映画好きへっぽこ主婦

 

最新記事

スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

Category: スポンサー広告

tb -- : cm --   

『誰かが足りない』負け組な人達が、前を向けるようになるまでの短編集。 

スポーツ少年が部活のあと、ごはんをモリモリ食べる。
ライオンが弱者を捕食し、家族と分け合って食べる。
その姿は「生きる気力」に満ちていると思う。

コンビニ弁当やカップ麺まみれの生活でも
実家に帰って母親の手料理を食べると、生きた心地がするもの。

食べること=生きることである。
どうせ食べるなら、素敵なお店で美味しいものを、大切な人と。


新刊の中から、元気が出るもの(できれば殺人が起きないもの)を探していました。
以前から読んでみたかった、私の初宮下作品です。


「ハライ」というとても美味しい(らしい)レストランが登場します。
いつもお客さんで溢れ、予約は2週間先まで予約がとれないハライ。
ところが、作中にはほんの少ししかレストランの様子は描かれません。

皆が声をそろえて絶賛する料理、どんな味だろう。

元気が出る本を・・・と思っていたものの、
本作にでてくる人物は皆陰と陽の「陰」の人物たちであり
悩みを抱え、モヤモヤと生きている人ばかり。
安易な気持ちで読み始めたので、正直堪えました。
(痛みを抱える人の)リアルすぎる人物描写に胸が苦しくなりました。
そんな下を向いた人たちが、憧れのお店「ハライ」に行くまでのエピソードが書かれています。

予約1
大学に行くために上京し、そのまま「商社に勤めている」と親に伝えている青年。
恋人にも捨てられた彼は今日もコンビにで働く。

予約2
「最近どんなニュースがありましたか?」と聞いてくる息子一家。
いちいちなんでそんなこと聞くの、と苛立つ女性。
彼女と家族の会話はどこかちぐはぐだ。
誰かが足りない、けれどそれが思い出せない。

小さな意地のせいで、大事な人と行けなかったハライへの想い。
認知症という題材は胸が苦しくなりましたが、とても素敵な話でした。

予約3
係長という名ばかりの役職がついたせいで
同僚との溝ができ、「尻拭い要員」をさせられているクミ。
「オジサンみたい」と言ったOLに恋人もとられ、つかない残業に休日出勤。

隣の家のヨッちゃんがまた帰ってきていた。
クミはヨッちゃんとの幼かった頃のことを思い出す。

予約4
母が死んでしまった家に取り残されたのは
兄が引きこもりの兄妹。
彼はビデオカメラを持つことで現実逃避をしていた。
ある日妹が友達を連れてくる。
兄は妹の友人を通じて、いかに妹に支えられてたか考える。

予約5
毎日機械のように大量に固めのオムレツを作り続ける青年。
彼はときどきオムレツを食べにくるある女性が気になっていた。
きっと素敵な女性・・・と妄想を膨らます日々。
ある日渾身のフワフワのオムレツを作った彼は、彼女にお皿ごと返されてしまう。

これは本作の中では軽めのお話で、
アメリカのハッピームービーのような感じでした。
恋の始まりはわくわくします。

予約6
焦げたような甘酸っぱい匂いを察知する女性。
それは、共通する「ある人たち」の匂いだった。

奥さんと1歳の娘を残し、いなくなってしまった叔父さん。
23歳になった留香は、心のどこかでモヤモヤが消えずにいた。
そしてある日、「あの匂い」がするまったくの他人を呼び止めてしまう。

ちょっとファンタジーっぽい話ではありますが
「笑顔で話を聞いてくれる人の存在」の大事さを教えてくれます。

どの主人公も、自分はこんなに一人で頑張ってきた、と自負しているのですが
どの人にも、大切な家族など支えてくれる存在があり、
その存在に気づいたとき、顔をあげて前を向けるのだな、と思います。

最後に、素敵な一節を一つ。

しあわせな記憶がこの人を支える。
思い出せるしあわせだけでない。
思い出せない無数の記憶によっても人は成り立っているみたいだ。
しあわせだったり、そうでなかったり、うれしい思い出も、悲しい欠片も。
美しい記憶がそのままその人の美しさを支えるわけではないように、
悲しい記憶が人のやさしさを支えることがあるように、いいことも、悪いことも、
いったん人の中に深く沈んで、あるとき思いもかけない形で発揮する。


174ページとあっというまに読みきれる本ですが、
何度も読み返すお気に入りの本になりそうです。



レンタルCGI
ブログパーツ
関連記事

Category: *小説

Thread: 新刊・予約

Janre: 本・雑誌

tb 0 : cm 0   

コメント

コメントの投稿

Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://chochopolix.blog.fc2.com/tb.php/256-fb707150
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。