【生きてるものはいないのか】死が死を呼び、謎が不条理を呼ぶ
私は舞台作品の映画化があまり好きではありません。
だってどう考えたって別物じゃないすか。
舞台は役者の息遣いや臨場感、時間との闘いやNGまでみれる。
映画は編集したり、何度もやり直したり、そもそも比べるものではないと思うのだけど。
【腑抜けども~】はまぁまぁ観れたけど、困ったのが【鈍獣】。
浅野忠信主演のクドカン作品なんだけど、正直面白くなかった。
電車のシーンは、舞台だったら照明や、音響や役者の演技で
「あ、電車が来るんだな、何が起こるのかな」と客が想像するわけだけど
映画は、線路に立てば電車が来るのはわかっちゃうし、そこにはリアルしかない。
だから「舞台劇」で成功を収めた作品が、映画でも面白いとは限らない、と思う。
さて。
【生きてるものはいないのか】
不条理作家・と呼ばれている前田司郎氏の戯曲であり、
五反田団の舞台作品を映画化したもの。
私は演劇に疎いので、正直前田氏の名前は知らなかったのですが
小説で三島由紀夫賞を受賞するくらいすごい人なんですねぇ。
その戯曲を、石井聰亙 改め(監督)石井岳龍氏が映画化。
(ちなみに石井監督、2005年ぶりの仕事です)
以下あらすじというかネタバレというか。
いつも通りの大学キャンパス。
ところが次々と人が死んでいくのだ。
理由もなく死にゆくさまは、不条理そのもの。

先輩の結婚式の余興についてお喋り。
金髪のアンドレ(札内幸太)の喋りがアフレコっぽくてなんか違和感あった 笑
右手前のナナ(高橋真唯)は都市伝説研究会。最初に死にます。
アンドレとナナ以外の女子2人で、余興のダンスの練習をするんだけど
その最中で一人に異変が。
なんか震えというかもがきといくか、動きが凄いの。

ナナが死んだときはなんとなく頷づけたけど、この人はほんと見てて「ぽかーん」
ただ、これが「舞台では」面白く、笑いが起こったりするのかもしれないけど
映画では観客が置いてけぼりな感じです。
正直ホラー?サスペンス?ミステリー?な感じで見てたので、まさにポカーン。
え、笑っていいの?と。

一癖ある「サカナ博士と」村ジュン。
結構最後まで生き残る2人。
画像はないのですが、優柔不断な彼氏と姉さん彼女(高梨臨)、彼の元カノ(妊娠中)も登場。
最初に彼氏が死んで、元・今彼女コンビ取り残される・・・。

KEE改め渋川清彦、妹の医者役はモデルの青木英李、←に恋するきもい同僚に芹澤興人。
(【最低】に出てた芹澤興人さん個人的に大好きです)
そして一番最初に出てくる患者役の田中こなつさんと主役の染谷くん。

こなつさんは「不条理に」人殺しもしますよ~
染谷くんはあまり生に前向きさは見受けられませんが、生きてます。
で。
「愛する人が死んでしまったから自分も死にたい」とか
「死ぬ前に○○したい」とか
「死ぬのはわかってるけどどうにかしたい」とかみんなそれぞれ。
そしてこの映画をみてなんて思うかもそれぞれ。
正直、言いたいことがよくわかりません。
都市伝説(ウイルスや実験)が関係してる?と思いきや違うし(その話も曖昧)
ミステリー要素からかけ離れていく・・・
死・というものに対して大真面目に訴えた作品なのか
半分冗談交じりに「そんなに深く考えるな」と言いたい作品なのか
若輩者の私にはわかりません。
「不条理」を映像にしたらこうなった、とでも言いますか・・・。
考察をあてに読んでくださった方すみません。
ただね、これは思った。
「染谷くんじゃなかったらヤバかったんじゃないか」と・・・。
最後の夕焼けバックはとても美しい。

他のブログで書かれている方もいましたが、【メランコリア】をなんか思い出しますね。
理解できぬまま進んでいく世界の終わり。
それが妙に美しかったりする。
五反田団の演じた舞台のほうがストレートに面白そうだったりして
やっぱ原作は越えられないんだな、と。
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