【そこのみにて光輝く】キネマ旬報ベストテン「1位」
「惹きこまれて目と脳みそギンギンに冴えちゃってお酒まで飲みたくなって本末転倒」になったアルコールホイホイ映画。
とうのも私、アホ映画も好きですが、辛い、悲しい映画も好物なんです。
【チョコレートドーナツ】も観てて辛かった・・・ですが好きです。
本作は、【海炭市叙景】の原作者でもある、北海道函館出身の佐藤泰志。
作品も、函館が舞台(ロケ地も)なので、それっぽい方言も出てきます。「~だべや!」とか「なんまら」とかね。
ちなみに私、小さい頃じーちゃんばーちゃんとも同居してたので、いまだに名残の方言丸出しです。
~だべやとか、家にいるときは平気で使いますww外では気を付けますが・・・

本作に出てた菅田将暉くん。
彼の作品は観たことがなかったのですが、上手に北海道弁喋ってましたよ。
他の道内の方が観たら「ヘタ~」とか「わざとらしい」とか思うかもしれませんが、田舎にはああいう輩はいまだにおります。
見始めは、ん、ちょっとやりすぎかな?と思いましたが、聞きなれたせいか気にならなくなりました。
なかなか演技が上手な役者さんですね!ライダー出身なんですか、意外です。

ライダーといえば綾野剛さんもライダーものに出てたんですね。
この作品での役は、過去に何かあった、陰のある若者と言った感じでした。
TVドラマ等のさわやかな役はう~んと思っていたので、この寡黙な役があってました。

池脇千鶴さんは好きな女優さんです。
裸のシーンも多く・・・ありがとうございます。
下着のゴムが、腰にちょっと食い込む感じが、肉感的で良かった!
普通、庶民はガリガリじゃないです。普通の生活してる人なら少々脂肪あるかと・・・。
ガリガリの女優さん多いじゃないですか。モデルさんならいいんですが、正直あまり好きではなくて、、、
彼女の本作の体型が役作りだとしたら偉いし、ナチュラルな彼女なら尚好きになりましたヨ。
そして田舎のやさぐれお水様な感じがすごく出てました。
お水というか、体売っちゃってるんですけどね。

池脇さんの裸もそうですが、セックスシーンが出てくるんですが妙にエロさはない。
辛いストーリーなので、観ててウホっとならないんですよ、逆に観てて胸が苦しくなります。
まぁ、体を売ってるわりに、セックスはあっさりしてるんだな、という印象でしたが。
「きれいごと」じゃあないと思うんですがね、綾野さんとはきれいにヤッてました。(汚語)
好きになった人とは・・・ということですかね。おばさんにはわかりません 笑
少々ネタバレになりますが思ったことを。
綾野さん、山を発破する仕事をしていたのですが、後輩が爆破事故で亡くなります。
それ以来仕事を休み、貯金でパチンコ&酒の毎日。
親も死んだのにお墓も建てず・・・←このエピソードが、冒頭妹からの手紙で差し込まれるんですが、正直いらなくないか?と思っちゃいました。
自分の兄妹や親が仕事の事故で死んだというならわかりますが、関係ないですからね。
手紙をくれた妹の旦那が一緒の仕事で亡くなった、というなら家族と疎遠になるのもわかりますが。
池脇千鶴(姉)を愛人にしている会社社長。そこで働く菅田将暉(弟)は、保護観察の身。
問題事は起こせないんですが、別れたがってるお姉ちゃんを殴り、手放さない社長に腹を立てた弟。
あろうことか、お祭りの席で、社長を刺してしまう。
なんと、「たこ焼きひっくり返すや~つ」で・・・。
当然そんなもんじゃ死なないよ。
例えば園監督だったら、このシーンを「包丁でメッタ刺し」とかにしちゃいそうですが。
ほんとちっぽけでチンケな傷害事件。わざとそうしたんですかね。
お話全体的に、そういう安っぽい庶民(底辺の)感じが漂ってました。
家が汚くてね・・・菅田くんもいつも裾がボソボソのコ汚いジャージですよ。
でもいるんですよね、こういう人達が。

主役2人がどうして愛し合うようになったかも、正直微妙です。
最初は気になってたものの、職場で偶然会ってしまうので、ビンタ別れしてるんですよ。
この段階では、あー俺を嫌ってるな。私を蔑んでるだろうな。とお互いが思ってるわけです。
でもどういうわけか海に行ったら突然接吻ですよ、おばさんには意味が分かりません。
アパートのシーンはいいですね、おばさんキュンキュンしました。

ん~ちょっと暗くて見づらいね。
酷評ばかりしましたが、なかなか美しい映像で、もしや・・・と思ってググったらやはり撮影は近藤龍人氏でした。
タグ:(撮影)近藤龍人・・・熊切作品、山下作品に多く携わって、【ソラニン】【桐島、部活やめるってよ】
最近では【私の男】【バンクーバーの朝日】なんかも撮影されてます。
監督は在日3世の呉美保という女性の方。
女性ならではの美しい映像でしたが、あまりにもきれいごとになりすぎて、つまらなくなってしまってるような気もしました。
本当はもっと、底辺で、地べたに這いつくばって、それでも必死に生きてます、なのを想像してたわけですが、カワイソウネ~な他人ごと風に写っていました。
もう少し、エグくしても良かったかな~と個人的には思いました。
ちなみに、「映画芸術」2014年日本映画ベストテン&ワーストテンでは、ワースト1位に選ばれてましたよこの作品。
さすがに1位は可愛そうな気もしますが・・・。
キネ旬ではなんと邦画の1位に選ばれるという大荒れっぷり・・・いったいどっちを信じたらいいのやら。
→北海道が舞台の作品、他にも感想書いてます。
原作本。海炭市叙景は今さらながら読みたい。
綾野剛&菅田将暉出演。
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